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ラジカル塗料はなぜ人気?仕組みやメリット・デメリット!
ラジカル制御形塗料とはどういう塗料?
外壁塗装の際に業者から勧められた、ネットや口コミなどで「ラジカル塗料が人気」という情報を見た。
そのような方も多いはず。
ラジカル制御形塗料はコストパフォーマンスが良いことで人気が高まっています。ラジカル塗料の特徴や注意点を徹底解説します。
ラジカル制御形塗料とは、簡単にいうと「塗膜を破壊する物質(ラジカル)を制御することで長持ちさせる」塗料です。
「ラジカル型塗料」「ラジカル塗料」「ハルスハイブリッド塗料」等と呼ばれることもあります。
主にラジカル制御形酸化チタンと光安定剤が配合された塗料を指します。
その性質を解説する前に、各専門用語を2つ解説します。
①酸化チタンとは?
塗料に含まれる酸化チタンは、白色の顔料として大切な機能を持っています。チタン鉱石から作られる無機化合物です。
酸化チタンは光をよく反射する性質を持っているので、塗料に光が当たるとそれを反射して色を明るく鮮やかに見せるのです。また、下地を隠す高い隠ぺい効果もあります。
白に限らず、ほとんどの塗料に酸化チタンが必要不可欠です。
酸化チタンは光をよく反射する性質を持っているので、塗料に光が当たるとそれを反射して色を明るく鮮やかに見せるのです。また、下地を隠す高い隠ぺい効果もあります。
白に限らず、ほとんどの塗料に酸化チタンが必要不可欠です。
この酸化チタンは食品や歯磨き粉などにも使われている身近な物質です。
また、酸化チタンには紫外線を吸収する能力があります。ところがこの時、酸化チタン表面に発生するのがラジカルなのです。
また、酸化チタンには紫外線を吸収する能力があります。ところがこの時、酸化チタン表面に発生するのがラジカルなのです。
②ラジカルとは?
ラジカルは、塗膜を破壊する厄介な物質です。
化学的に非常に不安定なため他の物質と反応しやすい特徴があり、塗膜の有機成分にも反応して、分子構造を分解してしまうのです。
これが塗膜の劣化につながり、耐久性や耐候性が損なわれます。塗膜の劣化症状である割れや変色、チョーキング現象の原因です。
化学的に非常に不安定なため他の物質と反応しやすい特徴があり、塗膜の有機成分にも反応して、分子構造を分解してしまうのです。
これが塗膜の劣化につながり、耐久性や耐候性が損なわれます。塗膜の劣化症状である割れや変色、チョーキング現象の原因です。
つまり、酸化チタンに紫外線が当たることでラジカルが発生し、そのラジカルが塗膜を分解してしまう。これが通常の塗料が劣化していくメカニズムです。
そこで、ラジカルをコントロールし抑制する働きを持つのが「ラジカル制御形塗料」なのです。
ラジカル制御形塗料の2つの働き
ラジカルの発生を抑制する
ラジカル制御形塗料は、酸化チタンをコーティング(高耐候酸化チタン等と呼びます。)することで、紫外線が酸化チタンに触れることを抑制します。
さらにシールドで、発生したラジカルが外に出ることを防ぎます。
さらにシールドで、発生したラジカルが外に出ることを防ぎます。
光安定剤(HALS)がラジカルをキャッチ
わずかに発生してしまったラジカルは、塗料に配合された光安定剤が捕まえて不活性化します。
ラジカル制御形塗料のメリットは、劣化が起こりにくいのでチョーキングも抑えられ、コストと性能のバランスが良い点です。
チョーキングが起こりにくい
ここまでご説明したように、塗膜の劣化が抑えられるのでチョーキング現象が起こりにくいのがメリットのひとつです。
つまり、塗膜が長持ちし汚れにくくなります。
チョーキングとは、劣化した塗膜が粉化してしまう現象です。外壁を手や布で擦ったときに粉が付いて汚れてしまったことはありませんか?塗膜が劣化している証拠です。
つまり、塗膜が長持ちし汚れにくくなります。
チョーキングとは、劣化した塗膜が粉化してしまう現象です。外壁を手や布で擦ったときに粉が付いて汚れてしまったことはありませんか?塗膜が劣化している証拠です。
チョーキングが起こった外壁には以下のような不具合が発生します。
☑ 色褪せが目立つようになる
☑ 撥水性が落ちる
はじめはきれいで色鮮やかだった外壁が色褪せくすんでくる原因の一つがチョーキングで、こうなると水はけが悪くなり汚れやカビ・苔なども発生しやすくなります。
ラジカル制御形塗料はこうした塗膜の劣化を抑制します。
コストパフォーマンスが良い
性能が良い塗料なら価格も高いのでは?と思われるかもしれません。
しかし価格と性能のバランスが良いのがラジカル制御形塗料のメリットのひとつであり、おすすめできる理由なのです。
外壁塗装によく使われるシリコン塗料と比較すると、価格は大きく変わりません。
一般的に言われるシリコン塗料の耐用年数は10~13年程度。それに比べてラジカル制御形塗料は12~15年程度と言われます。
しかし価格と性能のバランスが良いのがラジカル制御形塗料のメリットのひとつであり、おすすめできる理由なのです。
外壁塗装によく使われるシリコン塗料と比較すると、価格は大きく変わりません。
一般的に言われるシリコン塗料の耐用年数は10~13年程度。それに比べてラジカル制御形塗料は12~15年程度と言われます。
耐用年数 | ㎡単価目安 | |
シリコン塗料 | 約10~13年 | 2,500円~3,500円 |
ラジカル制御塗料 | 約12~15年 | 3,000円~4,000円 |
フッ素塗料 | 約15~20年 | 4,000円~5,000円 |
ラジカル制御形塗料を選ぶ上で知っておきたい注意点は、濃い色・暗い色が少ないこと、新しい塗料なので実際の効果が実証されていないことです。
濃い色・暗い色が少ない
ラジカル制御形塗料は、酸化チタンから発生するラジカルをコントロールすることで劣化を抑える塗料です。
ところが酸化チタンは色を明るく見せるための物質ですから、白や淡い色の塗料でないとラジカルコントロールの効果を生かすことができないのです。ラジカル制御形塗料は濃い色のラインナップが少なかったり、そもそも酸化チタンの含有率が低いので効果も少ないと言われています。
濃い色・暗い色で外壁塗装をご検討中なら、フッ素などグレードの高い塗料もご検討ください。
ところが酸化チタンは色を明るく見せるための物質ですから、白や淡い色の塗料でないとラジカルコントロールの効果を生かすことができないのです。ラジカル制御形塗料は濃い色のラインナップが少なかったり、そもそも酸化チタンの含有率が低いので効果も少ないと言われています。
濃い色・暗い色で外壁塗装をご検討中なら、フッ素などグレードの高い塗料もご検討ください。
実績が証明されていない
ラジカル制御形塗料というのは、2010年に日本ペイントが初めて販売を始めました。(パーフェクトトップは2012年)
現在15年に満たない歴史しかない塗料なので、実際の実績データは少ないのです。
とはいえ、塗料メーカーは促進耐候性試験により塗料の耐候性を確認しています。サイトやカタログ等に記載されていますのでご確認ください。
現在15年に満たない歴史しかない塗料なので、実際の実績データは少ないのです。
とはいえ、塗料メーカーは促進耐候性試験により塗料の耐候性を確認しています。サイトやカタログ等に記載されていますのでご確認ください。
<促進耐候性試験とは?>
人工的に劣化を促進させることで塗料の寿命を予測する試験です。
多くは太陽光や降雨を再現するキセノンウェザーメータという試験機が使われます。この場合約250~300時間で1年ほどの換算です。
照射時間600時間で光沢保持率80%を保持しているものを耐候形3種、1200時間のものを耐候形2種、2500時間のものを耐候形1種とし、日本ペイントのラジカル制御形塗料「パーフェクトトップ」は3000時間でも光沢保持率約85%の耐候形1種です。
※日本ペイント:パーフェクトシリーズカタログより参照
日本ペイント「パーフェクトシリーズ」
ラジカル制御の先駆けともいえる塗料です。ラジカル塗料で迷ったら、まず選択肢に入れて間違いないでしょう。
シリーズも多く、屋根用塗料や金属面向けの塗料、専用のシーラーもありますので、お住まい全体をカバーできます。
シリーズも多く、屋根用塗料や金属面向けの塗料、専用のシーラーもありますので、お住まい全体をカバーできます。
エスケー化研「プレミアムシリコン」
ラジカルを独自のダブルシールドで抑えるとともに、超微粒エマルション樹脂による滑らかな塗膜、美しい艶が特徴です。(半艶・3分艶・艶消しもあります)
関西ペイント「アレスダイナミックシリーズ」
高い耐紫外線機能を持ち、圧倒的な耐候性を実現しています。
促進耐候性試験でもフッ素塗料に迫る耐久性を持ちながら、価格はシリコン塗料とほぼ同等です。
促進耐候性試験でもフッ素塗料に迫る耐久性を持ちながら、価格はシリコン塗料とほぼ同等です。
ラジカル制御形塗料での施工事例
中古住宅をアレスダイナミックトップでイメージチェンジ
築年数
16年
施工費用
約90万円
中古住宅を購入、お引越し前にきれいにしたいとのご要望でした。リシン仕上げ外壁の細かいクラックを補修後、モダンなカラーに塗り替えです。
屋根と外壁をパーフェクトシリーズで塗装
築年数
18年
施工費用
約127万円(屋根・外壁)
屋根の苔や外壁コーキングの割れなどが気になっていたお住まい。色褪せた印象でしたが鮮やかに生まれ変わりました。
「お手頃な価格で長くきれいな状態を保てる外壁塗装をしたい」
このような方にラジカル制御塗料はおすすめです。
製品としてはまだ歴史が浅く、販売しているメーカーも少ない種類の塗料ですが、塗料メーカー大手である日本ペイントをはじめとして、各メーカーが技術を結集させて開発を続けています。
コストパフォーマンスの良い塗料としておすすめする塗装業者も増えています。
外壁塗装をお考えならぜひご検討ください。
街の外壁塗装やさんでは無料点検を承っております。
まずはお問合せいただき、どんな塗り替えがしたいのか、どのようなお悩みがあるのかをご相談ください。
ぴったりの塗装プランをご提案いたします。
ラジカル制御形塗料まとめ
-
ラジカルとは塗膜の分子構造を分解して劣化を促進させてしまう物質です
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ラジカルをコントロールして塗膜の劣化を抑える作用を持つ塗料が「ラジカル制御形塗料」です
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ラジカルを生み出す酸化チタンをコーティングすることで、ラジカルの発生を抑えます
-
発生してしまったラジカルも光安定剤が捕捉します
-
外壁塗装でよく使われるシリコン塗料と同等の価格帯でありながら、より高い耐久性が期待できます
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